一目惚れした時の話

医学生。卒業を控え、自分の人生がこれでいいのかわからなくなった結果、昔した恋愛を書いてみることにしました。

その7 前期どこにだそうか…

年が明け、来たるセンター試験に向け着々と準備を進めた。

僕は日本史を選択していた。今思えばやっぱり量は多かったと思う。ただ、社会の中で唯一日本史は抵抗がなく、「勉強楽しい」と思える数少ない科目だった。

とにかく85点の壁が厚く、S台主催のセンター模試の過去問をやっても90点超えることは殆どなかった。センター試験の過去問も同様。

 

それゆえ、年明けてからは日本史漬けになった。古典なんてほぼしらねーよ状態。英語は発音記号アクセントをちょろっとやる程度。物理化学は教科書を一気読みして知らないところをpick upしてにらめっこ。

ちなみに現代文で有名な今でしょ先生は僕はすごい先生だと思う。現代文大嫌いマンの僕でも現代文1ミスまでになった。まぁ今でしょ先生は「満点当たり前」って言ってるけど。

 

 

というわけで、本番。

 

 

奇跡。

 

 

自己ベスト更新!!!

 

 

苦手な英語国語が大爆死したが、他の科目でカバーしてなんとかなった。

 

 

 

前期国立受験は気兼ねなく考えられる。

後期は医科歯科以外なら戦える。

 

 

改めて進路のことを考えていた。

 

理2にいくか医学部にいくか相当迷った。

おそらく理2なら狙える。医学部だとしたら…千葉医か。

多分だがさやも理2だろう。理1って感じじゃなさそう。

 

そもそも1年間理2目指してやってきたんだ。さやとも一緒。理2に出す方が自然だ。

東大の願書を取り寄せて理2出願への手続きを進めていたその時。

 

 

 

母親の一言。

 

 

 

やっぱり安定と経済力は魅力。そういう意味でも医者良いと思うんだけどなぁ。

 

 

 

 

安定と経済力は大事。これは響いた。

 

 

僕はできるならさやと結婚したいと思っていた。さやが求める男になりたい。魅力的な男でありたい。将来を共にするならさやを絶対苦しめるわけにはいかない。

 

そして理2に進む理由、進んだ後のことを考えた。普通にサラリーマンになるのだろう。その前に研究か…研究は正直嫌だ、性分に合ってない。

この感じだとおそらく進路を先延ばしにするために理2に入ってるようなものではないか。理2に入ったからといって医学部以外の道で進みたいと思える進路がある保証もない。

そもそもそんなに理系的才能がない。

 

 

 

 

医者になろう。

 

 

 

 

正直、世の中に還元する、とかいう高尚な気持ちじゃない。

さやのために、さやとの間にできた子供のために医者になる。

僕が身体的にも経済的にもさやをサポートしたい。

 

 

 

そう決意した。

今思えばただの僕の傲慢だ。押し付けがましすぎる。

 

 

 

 

 

ただどうしても東大に行きたいという気持ちは捨てられなかった。

 

 

 

理2医進、理3がちらついた。

(僕は東大生じゃないので詳しくは知らないが、健康科学の方から医学科に編入する第3のルートも存在するらしい。知らなかった。)

 

 

塾の先生にも相談した。
その人曰く、医進は理3より難しいと。理3でさえ厳しいのにそんなこと言われたらもっと無理だ。

 

こうも言われた。

君は勉強しなすぎた。それなのに秋の模試でA判定をとった。しかも今、理2にするか理3にするかの状況で迷っている。

理2にしたら間違いなく君はもっと勉強しないと思うよ。多分足元掬われる。理3やってみたら?

 

 

 

勉強をサボったつけがしっかり回ってきた。

 

 

ここまできたら浪人してもなんでも良い。来年のための模擬試験だ。

 

 

前期理3、後期千葉医で出願した。

 

 

 

本当の勝負が始まった。

 

 

(続く)